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W・E・I

小説をメインに活動しつつ雑記も書きます、そんなブログ。 その名も「Watching・Entertainment・Information」略して「W・E・I」

プロフィール

東人

Author:東人





ご意見、ご感想などがあれば是非とも下さい。全力で返事をします。それと、おまけで小説のの「予告にならない予告」記載中です。
あなたは


回オンドゥル語を言ったそうです(古っ

大学生活を送ることになり、講義中に寝る癖をつけてしまい憂鬱になりつつ、レポートに追われてクライマックスな心境の何処にでもいる普通の大学生。ここ最近は小説をメインにひっそりと活動中。まぁ見てやってください。
なおこのブログはカレーの妖精とりんごに目が無い賢狼と、そしてオンドゥルライドの登場を全力で応援中です。

あと相互リンクは熱烈に募集中(OMO|壁


アダルト系のコメント等は正直やめてもらいたい!見つけたら削除しますのでそこんとこよろしくお願いします。



気が向いたら押してみてくださいな

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驚愕した

ついに万超え・・・

いやいややりすぎでしょ。って感じです。何かこう書きすぎた・・・・。しかもお久しぶりってレベルじゃないですよねww
個々の話、なかなか斬りづらくて・・・

それでは、

仮面ライダーという名の仮面
Awake 彼の力が覚醒する

カリスは一気に劣勢に追いやられていた。カードを一枚奪われたときからだ。その時からケルベロスの力が跳ねあがった気がする。それと同時に引き寄せていた『流れ』もケルベロスに傾いたようだった。カリスの防御は弾かれ攻撃を受けた。そして、またしても蛇がカードを奪い取る。合計で12枚のカードが奪われ今はAのカードしか持っていない。
「まずい・・・!」
カリスは迫りくる攻撃を回避しながら移動した。その先には谷を渡る為の橋が一つあった。カリスはそこにたどり着く。だがここでは逃げ場がない。狭い空間では力の強い奴のほうが圧倒的に有利だ。カリスが道を戻ろうと振り向いたとき。
「!?」
ケルベロスがすでに追いついていた。タックルされ、カリスは橋に投げ出された。
(しまった!)
そう思った時には遅かった。逃げ場がない。カリスは首根っこを掴まれ脚が宙に浮いた。最後とばかりに蛇がカリスの目の前に近寄った。眼が輝き最後の一枚を呑みこむ。
「!!!」
全てのカードを失くした今、否応なく正体を晒すこととなった。カリスの体を液体が纏って、すぐに弾けた。緑と黒の色を基調としたジョーカーが姿を現す。ジョーカーは首を掴んでいるケルベロスの腕に短刀を突き刺した。血が噴き出し、ケルベロスはやむなく手を離した。開放されたジョーカーはすぐさま橋から飛び降りた。今はただ、逃げることしかできなかったからだ。そしてあのままでは自分がやられると瞬時に判断したからだ。だがケルベロスはそれを良しとはしなかった。その背中に火球を打ち込んだ。
「ぐぉ!」
火だるまになりながらジョーカーは河の中に飛び込んだのだった。

その様子を遠くから眺める男がいた。天王寺博だった。
「ケルベロスの力を持ってすればジョーカーを押しのけることも容易い・・・!」
満足そうに天王寺は嗤う。そして小さな小型端末を取り出した。
「あと残りのアンデッドは・・・」
だがサーチャーには何の反応もなかった。おそらく身を潜めているのだろう。
「まあいい。ケルベロスの嗅覚があれば見つけるのも時間の問題」


橘と銀行で別れた剣崎はまっすぐ白井邸に帰ってこのことを話した。
「給料が振り込まれてない?」
「そうなんだ・・・ほらこれ」
通帳を剣崎は二人に見せた。

残高15円

この2けたの数字が淋しく書かれていた。
「おかしいわね。今まではBOARD名義で振り込まれてたはずなんだけど・・・」
栞は言った。BOARDという組織は実はかなり不明瞭な部分が多い。しかしながら頂点にはかなり影響力の強い人物がいることだけはわかる。そうしなければ事実上組織は崩壊したはずなのに給料など振り込まれているはずがないからだ。しかしそれがストップしたということは、
「その頂点にいる誰かが給料を止めた。または止める状況に陥った?」
虎太郎が考えながら言った。
「困ったなぁ・・・」
剣崎はげんなりしながらソファに座った。いくら人類を守る仮面ライダーといえど生活資金がなければ何もできない。ヒーローの意外な弱点を剣崎は思い知った気がする。当面のことは虎太郎が面倒を見てくれるというが長い間それにお世話になるわけにはいかない。とりあえず気を落ち着かせようとウーロン茶の入ったコップに手を伸ばそうとした。だがその手はコップに届かなかった。
「!!!」
剣崎は何かに貫かれるような衝撃に襲われた。体の外側を突き刺すようなものではない。まるで体の内側からくる、どうしようもない痛みだった。
「ぐぅぅぅ・・・」
痛みが一向に引くことはない。剣崎はソファから床に落ちた。
「「剣崎君!?」」
二人が剣崎の異変に気づいた。虎太郎が剣崎の肩を持ち、必死で声をかけた。しかし剣崎はどうしようもない痛みにただ呻くことしかできなかった。さらに、パソコンからアラーム音が響いた。
「何よ!」
栞が急いで解析を始める。虎太郎はあたふたしながら
「そ・・・そうだ水!」
と机にあったよく冷えたコップを手に取った。剣崎は痛みに耐えながら虎太郎の差し出すコップを掴んだ。そして一気に飲み干した。
「はぁ・・・はぁ」
剣崎はコップを乱暴に机に置いた。痛みは和らいだ気がした。だがさっきので頭がくらくらしていた。
「剣崎君大丈夫?」
「大丈夫だ・・・何なんだいったい・・・」
虎太郎に支えてもらいながらゆっくりと起き上がってソファに腰かけた。
「剣崎君、未確認のアンデッドの反応。それとジョーカーの反応があったわ」
「なんだって・・・・」
剣崎は立ち上がろうとした。向かう先は決まっているだが虎太郎が止めた。
「駄目だよ剣崎君。もしかしてさっきの、ジョーカーの影響を受けたからかもしれないんだよ」
「でも始に何かあったかもしれない・・・!行かなきゃ」
「なら私たちも行きましょ。白井君車出して!」


そして剣崎たちが到着するよりも先に、橘が着いていた。
「確かこのポイントのはずだが・・・」
橘は最後にジョーカーの反応が消えた場所に来ていた。河は谷に沿って流れており、着いたポイント付近は大きな岩が多くあった。橘は注意深く歩いていた。まだ敵がいるかもしれないからだ。だが、岩陰から出てきたのは敵ではなかった。
「相川始・・・・!?」
緑と黒を組み合わせたデザインだった。相川始の正体であるジョーカーだった。正直、橘はジョーカーの姿を間近で見て驚いていた。
「どうしてその姿になっている!?」
「敵に全てのカードを奪われた・・・」
ジョーカーの声は苦しそうだった。そして岩に手を付いていて、呼吸が荒い。
「カードを奪われた?カテゴリーKにか?」
「いや違う…見たことのないアンデッドだ・・・うっ・・・アァァァ」
急にジョーカーの気配が変わりだした。急激に増えたのは殺気という成分。橘はすぐにカードをバックルに通していた。このまま暴走するのであればすぐに戦う気でいた。だが、ジョーカーは再び苦しみの声を上げる。
「ウ・・アァ・・・ヤメロ・・・」
橘は戸惑った。目の前の敵は何かを必死で止めようとしているからだ。
「オレハ・・・アイカワ・・ハジメダ…!」
そしてジョーカーは糸が切れたかのように倒れた。橘はジョーカーに近づいた。ジョーカーは少しも動かない。一応生きてはいるらしい。だが意識がない。
「まさか・・・自分で自分の本能を殺したのか」
ジョーカーの持つ闘争本能。それは相川始の中にあるもう一つの人格ともいっていい。カードが奪われた時点でその本能はすぐに覚醒しようとしていた。だがかろうじて残っていた相川始の意識がそれを殺した。その行為はまさに自分自身を殺す、すなわち自殺に等しい行為だった。肉体的にではなく精神的に死に、植物状態に近い状態となった。
だがその状況でも、橘は迷っていた。
「ここでこいつを封印すれば・・・」
人類が破滅することはない。確かにそうだろう。だが剣崎の言う通り、別の解決法があるのではないだろうか・・・。悩む橘はバックルとカードをポケットにしまい、ジョーカーを担いだのだった。


橘がジョーカーと遭遇してからだいぶ時間が経って、剣崎ら3人はサーチャーの反応が最後に示した場所に近づいていた。
「このあたりね、たぶん河原の方だわ」
「アンデッドがまだいるかもしれない。気をつけないと」
剣崎は虎太郎と肩を組んで支えて立っている状態だった。あの後からずっと体が本調子ではなかった。そして道なき道を下り、河原に出た時だった。
「剣崎!」
橘の声が響いた。橘は剣崎たちとは別の方向から河原に下った。
「橘さん・・・」
橘は剣崎のほうを見た。
「やはり剣崎、お前にジョーカーの影響があったらしいな・・・」
「どういうことですか!?」
「ついてこい」
そう言って橘は3人を先導し、野道を進む。たどり着いた先は一件のボロ小屋。剣崎が始を匿った場所ではなかった。
「ここは・・・?」
橘は扉を開けた。中は埃っぽかった。一応、居間のような寝泊りするスペースがあった。そしてそこにああり得ないものが横たわっていた。
「始!?」
剣崎は思わず虎太郎から離れてジョーカーに歩み寄った。しかしジョーカーは何も反応しなかった。
「一体なにがあったの?」
「俺も反応のあった場所に行ってみた。そしたらすでに相川始はジョーカーとなっていた。カードをすべて奪われてな」
「カードを奪われた?」
「何が起こったのかはわからない。ただ、相川始も知らない未知のアンデッドが現れたということは確かだ」
ボロ小屋の中で黙り込む4人。だがこの中でいつも考えを巡らせているのは虎太郎だった。なぜカードを奪われたのか、そして敵はどこにいるのか・・・・
「始がここまで追い込まれるってことは相当強いよね」
「そうだ。上級アンデッドでもここまで追い詰められないはずだ」
「そいつが本当にアンデッドなら、そいつの狙いは・・・」
「そうか。バトルファイトの勝利!」
剣崎も気がついた。真っ先にジョーカーが狙われた。その理由はおそらく、ジョーカーの封印。剣崎たちライダーを狙うよりも最優先に始を狙ったすれば・・・次に狙う目標は、
「次はダイヤのカテゴリーKか」
だがその居場所はわからない。
「そうだ。睦月に連絡しとかないと」
そう言いながら橘は携帯を手にした。その通話先に、探している次の目標がいることも知らずに。


二人の乗るバイクは大きな道に出てやがて湾岸線へと出る道を進む。今日はツーリングだった。海岸線をバイクで進み、適当に停まってゆっくりと時を過ごす。そんな当て所もない、だが貴重な時間だった。

海岸線へと抜けて進んでいく。磯の香りが漂ってきた。さて、どこで止まろうと思っていると、一人の男が歩道に立っているのが目に飛び込んできた。睦月の視力なら簡単に見ることができる。眼鏡をかけ、茶色のマフラーを身につけ、睦月のほうを確かに見ていた。睦月は一度その男とすれ違ってからバイクを停めた。その男が独特の『気配』を持っている気がしたからだ。その男は睦月に背を向けて歩いていった。望美は男をずっと見ている睦月を見て、
「行きなよ」
「え?」
睦月が振り向いた時にはもうそっぽを向いていた。
「仮面ライダーのことなんでしょ?早く行ってきなよ」
望美はいまだ睦月のほうを向いていない。睦月は今度何かの形で返さないと駄目だな・・・と考えていた。
「ありがとう、望美」
「睦月・・・気をつけてね」
そこでようやく望美は振り向いた。本当に心配そうな顔をしていた。たぶん素っ気なく振舞っていたのは睦月を行かせるよりも、その顔を隠す方が目的だったらしい。睦月はバイクにまたがってきた道を引き返した。

金居は耳にバイクのエンジン音が飛び込んできたから歩みを止めた。そこは造船所ガ近くにあった。そこにバイクが一台やってきた。金居があの場所に立っていたのは挨拶代わりのつもりだった。正直あの坊やは自分がアンデッドだと気づかないとも思っていたからだ。カテゴリーAに囚われていたせいなのか、自分の存在を見抜いたのだろう。そう思いながら金居は振り返った。ヘルメットのバイザ―を上げて少年は聞いてきた。
「あなたはアンデッドなんだろう?」
「だったら、坊やが俺に何の用だ?」
「俺はあなたと話がしたい」
睦月はバイクから降りてヘルメットを脱ぐ。自分からすれば次の言葉は素っ頓狂なものだった。
「戦うのをやめてこの世界で生きていかないか?」
金居は馬鹿馬鹿しくなって鼻で笑った。
「ふんっ。俺に仲間のクワガタムシたちと森の奥で暮せというのか?」
「いや・・・そう言う意味じゃなくて・・・人間として生きていくことはできないか?俺はこのバトルファイトを終わらたいと思ってる。でもこれ以上犠牲を払いたくない・・・」
「その考えは甘いよ、坊や」
金居はメガネのツルをくいとあげる。そして眼鏡の奥から鋭い目で睦月を睨んだ。
「俺たちアンデッドは種の繁栄を目的に戦っている。お前たち人間どもは仲間の住処を減らしていっているじゃないか。第一その形では終わったとは言えない」
アンデッドの目的は種の繁栄。だからこそ、今まで出会ってきたアンデッドたちは戦ってきた。それを否定するような言葉は自信を否定するようなものだろう。金居のさっきの眼には明らかに殺意が含まれていた。まるで全てを切断するような、そんな眼だった。睦月はそれに気圧されてしまう。
「坊や、俺には目的があってこの世界にいる。その目的を邪魔するというのなら・・・・」
金居の気配が変わる。まずい、睦月は咄嗟に危機を感じ取りライダーシステムを取り出した。だが、
「…誰だお前は?」
急に失せた。金居はいま睦月を見ていない。睦月の後ろを見ていた。睦月も気になって振り返ると、
「!?」
怪物がいた。三つの頭を持み、くすんだ金色の体をしたアンデッドだった。睦月は一瞬それを見て、神話の世界に出てくる地獄の番犬を思い浮かべた。

睦月は電話に出なかった。しかしそれよりも重大な知らせがあった。栞が持っていたパソコンでアンデッドサーチャーがアンデッドを発見していた。
「さっきのカテゴリー不明のアンデッドだわ!」
橘と剣崎は急いで出て行った。
「私たちも行きましょ!」
そう言って栞も二人に続いて出て行った。一人取り残された虎太郎はと言えばジョーカーの姿を見て、このまま放って置くのはまずいんじゃないのかな、なんて思っていた。そして近くにあったござを見つけ、ジョーカーの上に被せた。これでいい、そう思って虎太郎も出ていく。剣崎と橘は合流し猛スピードで向かった。すぐ近くを流れる河の河口付近で、剣崎たちがいる場所から遠かった。その近くに睦月が近くにいて、レンゲルに変身し戦っていることを二人は知らなかった。

「お前が最後のアンデッドじゃないのか?!」
金居は一瞬で思いついた。このアンデッド、バトルファイトにはもともといなかった。
「人造アンデッドだ・・・・」
「なんだって!?」
「こいつにも話し合いが通じるのか?」
金居は皮肉った声で言う。ケルベロスの片方の口から炎が吐き出された。あの敵は自分のことを狙っている?避けながら睦月はそう考えカードを装填する。ベルトが腰に巻きついた。
「変身!」
『オープンアップ』
紫色のスクリーンを超えてレンゲルへと変身をする。自分の身の丈ほどはある杖を手に、レンゲルは走った。レンゲルは杖で突きを打ち込む。それを力任せにケルベロスは横に避けはたき落とした。思わぬ力に杖が手から離れそうになる。だが杖を一度自分のほうに引き、上段に構える。まっすぐ振りあげ、まるで剣道の正面打ちのように振り下ろした。杖であれば剣の動きをある程度真似ることができる。ただ斬るのが目的ではなく殴打が目的なのだが。しかしケルベロスはその杖を簡単に受け止める。
「こいつ・・・!」
レンゲルは杖を引っ込めたりしようとしたが一切動かない。それどころか杖を投げ飛ばし、持ったままだったレンゲルごと投げ飛ばしたのだった。運良く海に落ちることはなかった。レンゲルはたちあ上がり杖を構える。

レンゲルの戦う様子を金居は冷静に見ていた。
「なんて力だ」
真っ先に思った。恐らく自分と同等、それ以上だろうと推測できる。さらに気になる点は、
「複数のアンデッドの細胞を合成している・・・?」
こいつと真正面から戦えばただではすまないだろう。金居はそう結論した。すべては勝ち残る為だ。
「逃げたほうがよさそうだぜ、坊や」
しかしレンゲルはケルベロスに向かって駆けだす。馬鹿か、そう思ったがこれはこれでいい分析になる。金居は姿をくらましながらそう思ったのだった。

レンゲルも相手の力の強さを痛感していた。こいつに力で勝負すれば必ず負けてしまう。レンゲルはケルベロスから逃げるように移動して時間を稼ぐことにした。何か対策を練らなければ勝てないと思ったからだ。ケルベロスは逃げるレンゲルを追いかける。レンゲルがコンテナの陰に隠れても火球や光線で攻撃してくる。やがてレンゲルは追い込まれるように造船ドッグの中に入った。そこは船を整備するため、まわりより深くなっており、まるで闘技場のようだった。しかしレンゲルは逃げていたわけではない。逃げることができないのであれば、いっそ開き直って真正面から相対しようと思った。
「俺には新しいフォームはない」
レンゲルはカードを二枚抜きとった。一枚はいまだ主のいない象のカード、そしてもう一枚は夢を食べるといわれる獣カードだった。そして主のないカードに深緑の紋章が刻まれた。
「だが、俺には一緒に戦ってくれる仲間いる!」
レンゲルは象のカードを前に投げ、
『リモート』
紫の光線がカード当たった。封印するときとは逆の手順で、エレファントは解放された。ケルベロスにも劣らない巨体がレンゲルの前に現れた。
「一緒に戦ってくれるか?」
象は確かに頷いた。アンデッドの中でも屈指の力を持つアンデッドならケルベロスとも渡り合えるかもしれない。ましてや数ではこちらが有利だ。エレファントは槌を、レンゲルは杖を構えてケルベロスに立ち向かう。エレファントが振り下ろした槌をケルベロスは片腕で受け止める。だがそれを押し返すことはできない、その隙に空いた脇腹にレンゲルは突きを打ち込む。さらにそこから杖を手繰り寄せ右手は杖の真ん中、左手は杖の端を握る。そしてケルベロスの下段を払うかのように振るった。ケルベロスのバランスが崩れる。
「いまだ!」
エレファントがもう一度振りかぶりゴルフのスイングのように槌を振り抜いた。ケルベロスはすさまじい勢いで弾きとばされ地面を転がる。
「これならいける!」
レンゲルはそう確信した。

金居はその様子を物陰からひそかに見ていた。
「なるほど、これがレンゲルの力。アンデッドを操る力か」
レンゲルだけに許された能力、それがアンデッド解放の力だった。剣崎たちはアンデッドと融合し力を得るがレンゲルの場合はその逆、アンデッドを解放することでその力を借りる。ラウズアブゾーバ―がなくともレンゲルはアンデッドの力を借りることでJフォーム以上の力を発揮することができる。確かに今の流れならケルベロスを押し切ることもできるだろう。だが、金居はそうとも考えていなかった。何か隠された力がある、そう思っていたからだ。

二度目の連携が成功し今度は壁に叩きつけられるケルベロス。押し切れる!流れはこちらにあるとレンゲルは確信する。壁にめり込むように立つケルベロスは肩から光を放った。強烈な威力を持ったそれは二人に当たることはなかった。だが、地面を抉った。破片が飛び、砂ぼこりが舞う。レンゲルは思わずひるんでしまった。その一瞬を突かれてしまった。エレファントの姿が見えない。しかし
「ぐぉぉぉぉ!!!」
うめき声だけが聞こえた。レンゲルはその声のしたほうに走り出す。そこにはケルベロスの猛攻を浴びるエレファントがいた。おそらく、あの煙幕を利用しレンゲルと分断させ一体ずつ倒すことにしたのだ。ケルベロスがとどめの一撃を放つ。そしてレンゲルと影にいた金居は次の光景を見て驚く。エレファントがリモートによって解放されるのとは逆、つまり封印されていく。体が緑に輝いてカードとなってケルベロスの肩口にいる蛇の頭がそれを呑みこんだ。
「奴め・・・アンデッドを取り込んでしまえるのか」
だがレンゲルには驚いている暇さえ与えられなかった。すぐにケルベロスがレンゲルの走りながら首根っこを掴み壁に叩きつけた。
「ぐぁっ・・・・」
強すぎる衝撃がレンゲルを襲う。そして蛇の瞳が輝いた。11枚のカードが蛇によって奪い去られ、最後にバックルにあるAも奪われてしまった。強制的に変身が解けてしまう。ケルベロスは用がないとばかりに睦月をその場に落とした。そして三つ首の狗は的確に隠れている獲物を見つけ出す。
「ちっ・・・!」
金居は殺気を向けられてこれ以上隠れるのは無駄かと悟った。ケルベロスと対峙する。だが、金居はアンデッドの姿にならなかった。

ひゅん

金居は右手を手刀の形にして薙ぎ払うように振るった。すると突然ケルベロスの近くにあった柱が一本『ずれた』。ずれた柱は滑り、ケルベロスと金居を挟むように倒れた。衝撃で地面が少し揺れる柱が陰になり金居の姿をとらえることができなくなる。そして金居の気配が感じられなくなったと同時に、二人の戦士が到着した。

剣崎と橘は急いでバイクから降り、下を見る。倒れる睦月とケルベロスがいた。
「睦月!」
橘が叫ぶ。二人は急いで下に降りるために階段を下っていく。だがそれを引き留めるように、
「余計なことはしないほうがいい」
重々しい、低い男の声がドッグの中に響く。聞き覚えのある声に橘は上を見上げた。
「天王寺理事長・・・なぜあなたが!?」
「すべては計画通りだ。トライアルシリーズもティターンも全てはケルベロスを生み出すための実験だったのだよ」
「奴を止めろ!止めさせるんだ!!」
しかし天王寺は嘲笑う。
「ケルベロスはだれにも止められない・・・!」
剣崎と橘は階段を駆け下りケルベロスと対峙する。睦月は何とか無事だった、それを確認しながらベルトを装着し、
「「変身!」」
紫紺と真紅の戦士へと姿を変えた。ケルベロスがすでに向かってきて降り武器を取り出す暇がない。ギャレンとブレイドは徒手空拳で戦う。二人の攻撃を力任せに弾き、時には余裕で受け止める。そしてブレイドを至近距離から炎弾を当てて壁に激突させ、次にギャレンの胸に一撃、重い右ストレートが入った。ギャレンは後ろに下がりながら。
「強い・・・・!」
ギャレンは対抗しようとラウズアブゾーバーのカードホルダーを展開する。二枚のカードを抜き取り、その中の女王のカードを差し込もうとした。しかし、ケルベロスのもつ蛇の瞳が輝く。カードがギャレンの手から離れ蛇がそれを呑みこんだ。
「なに!?」
ギャレンは動揺を隠せなかった。それが大きな隙につながる、ケルベロスは光を放った。反応が間に合わない。直撃し、地面を転がる。起き上がり際にケルベロスによる連続攻撃を受ける。腹にまたしても右拳をねじ込まれ、ギャレンは吹き飛び、変身解除へと追いやられた。
「ぐぁっ・・・・」
橘は地面に赤い鮮血をぶちまけた。さっきの攻撃が鎧を通り越し体にも深くダメージを負わせていた。ブレイドはめり込んだ壁から出てその惨状を見た。
「橘さん!?」
そして上では天王寺が満足そうに笑う。
「君たちがいくら戦ってもケルベロスには勝てない・・・」
ブレイドは判断した。こいつを倒すにはKフォームへと進化するしかないと。ブレイドはすぐさまカードを抜き取り女王のカードを差し込んだ。
『アブゾーブクイーン』
そして王のカードを通そうとした時、
「待て・・・剣崎」
橘が苦しげに言った。
「お前は今、ジョーカーの影響を受けているはずだ。キングフォームになればまた・・・」

暴走

剣崎の頭をその単語がよぎる。しかしそれがなんだ。己の中に潜むジョーカーを抑え込むと決めたではないか。
『エボリューションキング』
ブレイドの周りをカードが舞い、金色の鎧へと変化する。13枚のアンデッドを取り込んだブレイドは大剣キングラウザーを握り、さらに右手の中に5枚のカードを呼び寄せた。
「始のカード、返してもらう!」
切り札たる五枚をラウズする。
『スペード 10 J Q K』
5枚のカードのシルエットがケルベロスとブレイドの間に立ち並んだ。
『ロイヤルストレートフラッシュ』
ブレイドの持つ最強の技。手加減など一切なし。人造アンデッドを葬ってきた掛け値なしの一撃必殺だった。

しかし

「グォォォォォ!!!!」
ケルベロスは咆哮し、腕にある爪状の武器を前に構えた。そしてシルエット向かって突進してくる。5枚のシルエットがぶち抜かれていく。最後にぶち破られるのはブレイドだ。ケルベロスは突進してきた勢いをそのままにブレイドにアッパーをくらわせる。ブレイドは斜め上空へと投げ出された。そのまま造船ドックを出てしまう。おそらくキングフォームになっていなければ鎧を貫いていたかもしれない。そんな一撃をくらってしまった。ケルベロスも造船ドックを跳んで超えた。立ち上がったブレイドは大剣を構え走り出した。ケルベロスも同じようにブレイドに肉薄する。ブレイドは袈裟を斬るように大剣を振るう。だがそれよりも速くケルベロスはカウンターを合わせてきた。胸を拳で打ちつけブレイドを後退させる。
「あ゛ぁ!!」
ブレイドは声にもならない声とともに剣を突き刺すように突き出す。しかしケルベロスは軽々と避けブレイドの背後に回り炎弾をくらわせる。さらに追い討ちとして背中にストレートを入れる。
「あ・・・・・」
吹き飛ばされブレイドは崩れ落ちるように膝をついた。
「剣崎!」
睦月を抱えて橘も造船ドッグを出ていた。視界に入るのは崩れ落ちた金色の鎧だった。そして天王寺は満足そうに笑う。
「君たちではケルベロスを倒すことはできない。すべてのアンデッドのデータを融合させた究極のアンデッドだ」
ブレイドはふらふらになりながら立ち上がる。ケルベロスは容赦なくブレイドの顔面を殴り後ろに吹き飛ばした。
「その力はジョーカーも凌ぐ。すぐに封印してやる、ジョーカーもな!」
「そんな・・・・そんなことはさせない!!」
ブレイドは立ち上がった。右手に大剣を持ち、さらに左手にブレイラウザーを召喚した。そしてかの王と戦った時のように左手の剣を逆手に構える。ケルベロスは止めを刺そうとブレイドに向かう。そして爪を振るった。ブレイドは逆手に構える剣で受け止める。片手で、
「!?」
ケルベロスが驚いたように見えた。さっきまでパワーでは勝っていたはずの相手に片手で受け止められてしまった。ブレイドは受け止めたすきに大剣でケルベロスを斬りつけた。さらに逆手の剣で胸を横に斬りつけた。
「始を・・・」
今度は大剣でさっきと同じように袈裟に振るった。ケルベロスはそれを受け止めた。だが左手の剣が逆袈裟に斬った。
「睦月を・・・橘さんを・・・」
鬼、まさに鬼のような強さでケルベロスを圧倒する。橘と睦月はその強さにただ無言で、天王寺は眉をひそめた。
「これ以上誰も傷つけさせはしない!!」
ブレイドは大剣をケルベロスのみぞおち辺りに突き刺した。すぐに引きぬきケルベロスは緑の血を流しながら後ろに下がった。
「うぉぉぉぉぉぉ!」
ブレイドは左手の剣をケルベロスに投げつけた。まっすぐに向かってくる剣をケルベロスは掴みとる。その一瞬の隙だけで十分だった。ブレイドは確信し切り札を手元に呼び寄せる。
『スペード 10 J Q K A』
「はぁぁぁぁ・・・」
ブレイドのまとう金色の鎧。そこにある13枚のアンデッドレリーフが輝く。その光が一本の大剣に集約された。
『ロイヤルストレートフラッシュ』
再び5枚のカードが並んだ。
「ウェイ!!!」
ブレイドが剣を振るう。五枚のカードを通った槍のような一撃がケルベロスを貫いた。さっきの突きさした後を上書きするかのように貫通し、倒れた。三つ首の魔獣はついに破られた。
「やった・・・!」
橘と睦月は安堵の息をつく。
「まさか・・・・」
天王寺は驚愕した。そしてブレイドは、
「・・・・」
肩で息をしながら、だがしっかりと天王寺のほうへと向いた。どこか鬼を思わせるような、見ただけで射殺せるような眼だった。
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